2017年4月16日に開催された大阪ダービーでガンバ大阪のコアサポーターがナチス親衛隊(SS)のマークと同デザインの旗を使用していたことが発覚した。ご存知の通り、ナチス政権は出版、言論、結社の自由を含む個人の自由を制限した苦い歴史を残している。誤った民族理論に基づき、約600万人の彼らにとっての「不適格」なヨーロッパ人(ユダヤ人や同性愛者等)を組織的・大量に殺戮した。そのため、戦後のドイツでは、鉤十字や親衛隊SSの紋章を公衆の面前にさらしたり、右手を高く掲げるナチス式敬礼を行ったりすることは犯罪行為であり、「国民扇動罪」で処罰される。
ほんまやこれあかんやつや pic.twitter.com/drDf5Vlnep
— うっちぃ。 (@mikihouse4) 2017年4月16日
これ、特定簡単だと思うから、即動いてください。FIFAの逆鱗に触れますよ。@GAMBA_OFFICIAL @J_League @JFA pic.twitter.com/ygfZVwxl7l
— Masayuki Kusakabe (@pfd1212) 2017年4月18日
【大阪ダービー】決起集会、終了しました!
沢山のご参加ありがとうございました!
サポーターのテンションも最高潮!
この後、14時から選手と共に闘います!! pic.twitter.com/2wRi9uMzOw— ガンバ大阪サポーター連合 (@gambasupporter) 2017年4月16日
映ってる。笑 #お気に入り pic.twitter.com/HxP7pjnejj
— Kao yaki (@Yaki_gamba) 2017年4月19日
@aishiterutokyo @GAMBA_OFFICIAL pic.twitter.com/KzBagMmteP
— T (@toosaka10132346) 2017年4月18日
過去の動画を確認したところ2011年までのガンバ大阪サポーターの動画では発見することができず2012年の動画では、同じ旗を発見することができた。少なとも2012年から5年間はガンバ大阪のコアサポーターの中でナチス親衛隊(SS)のマークが放置されてきたことになる。
サポーターの中には、集団心理や数の圧力を利用して、マイノリティや自分とは主義思想の合わない人物を排除しようとする者が現れる場合がある。今回は、その典型的な例にあたり、Jリーグスタート後には戦績で大きくセレッソ大阪を上回るガンバ大阪サポーターが、セレッソ大阪サポーターをスタジアム内外で過度に挑発している。そのような心理・行動と、組織的・大量殺戮を行ったナチスのデザインは親和性が高く、このようなデザインを旗に使用している攻撃的なガンバ大阪サポーターが、現在、たいへん危険な状況にあることを示している。
この試合では、以下のような過度な挑発が行われている。
ピンク色の豚野郎が睨んでいる
いわしてまえセレッソメルダ
豚豚セレッソセレッソ
かかってこいやー
過去、サポーターの問題行動に対してクラブは迅速な対応をとっている。
⚫︎横浜F・マリノス 三ツ沢バナナ事件(川崎フロンターレ戦における差別的挑発行為と処分について)
試合中に問題行動を把握し当該男性サポーターを特定。試合終了後に事情聴取を行い無期限入場禁止処分を決定。翌日には陳謝と処分決定を公式発表した。
大阪ダービー開催から3日後の2017年4月19日現在、ガンバ大阪からの発表はない。ガンバ大阪とガンバ大阪サポーターの自浄能力が問われている。再発防止のための行動に注目したい。
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4月20日 以下は加筆。「SS」ではなく「Sh」ではないか、という意見について。
残念ながら「知らずにルーン文字で『SS』をデザインしたら偶然に似てしまった」という言い訳の方が、まだ大きな問題にならない余地を残すことになりそうです。「Sh」だとなると、言い訳のしようが無くなります。
「SS」旗問題の回答です。
SSではなくSHこれが答え
過去の動画から拡大しました。 pic.twitter.com/wcIa9pUj3Z
— GAMBA&GANS (@gamba_gans) 2017年4月19日
※旗を作成された当事者ではなく、別のガンバサポーターのツイート
ここで使用されている「S」はルーン文字(古代ゲルマン人が用いていた文字)の形態です。ですので、既存の文字ということになります。もし、まったくナチス親衛隊(SS)の存在を知らずにルーン文字の「S」を二つ重ねたデザインをすれば、偶然に似た側が出来上がるという解釈もできなくはありません。しかしルーン文字の「H」に相当する文字は、上記の「h」の形態とは異なります。「H」を「S」に似せてデザインしたとなると、そのデザインモチーフが必要となります。つまり、ナチス親衛隊(SS)のデザインをベースに「H」を「S」に似せてデザインしたという疑惑が極めて強くなるのです。
RuneAssignMN シリーズ フォント表
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参考 似せたことが許されないのが世界の常識等、教訓となる過去の事例。
ナチス軍服謝罪事件
2016年にアイドルグループ「欅坂46」がコンサートで着た衣装が、ナチス・ドイツの軍服に似ていると海外メディアなどが指摘し大問題となった。米国のユダヤ系団体が抗議し、所属レコード会社のソニーミュージックエンタテイメントとプロデューサーの秋元康氏が、謝罪するに至った。デザインがナチスの制服に酷似していると日本のネットで話題になり、複数の欧米メディアがそれを採り上げた記事を掲載。米国のユダヤ系人権団体Simon Wiesenthal Centerが、所属レコード会社のソニーミュージックグループと秋元康氏に対して謝罪を求める抗議文を公開し世界的な問題となったために、海外に向けて謝罪する事態にまで発展した。
マルコポーロ事件
雑誌「マルコポーロ」が1995年2月号に「戦後世界史最大のタブー ナチ『ガス室』はなかった」という、ユダヤ人の大量虐殺「ホロコースト」の事実を否定する記事を掲載。アメリカのユダヤ人団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」が抗議し、「マルコポーロ」は廃刊になった。
すでに問題視する書き込みが海外ではあったようです。