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行政による「ぶちくらせ」への関与に反対意見が大多数(サポーター調査)


tasukeLサポーター研究所は『ぶちくらせ』応援表現に関するアンケート調査を実施した。その結果から「ぶちくらせ」問題の本質は表現のキツさではないことが判明した。

まず、経緯を振り返ってみよう。ギラヴァンツ北九州は、かつてサポーターだけではなく、クラブも「ぶちくらせ」という表現を使用していた。

しかし、ギラヴァンツ北九州は2015年7月17日のリリースで「ぶちくらせ」に対して、基本的な考えとして「クラブが掲げる理念に照らせば、今回の『ぶちくらせ』の表現は、感受性豊かな子どもたちにスタジアムという空間で、技を競い、勝負に拘りながらも相手をリスペクトし、フェアな戦いを表現するというスポーツの価値を体感してもらうためには不適切な表現」との見解を示した。自らも使用していた言葉を、なぜ禁止としたのか姿勢変更の明確な理由はオフィシャルには発表されていない。

ギラヴァンツ北九州は2015年11月6日に試合運営管理規程に違反する行為が発生したため、サポーター団体「イエローブリゲード」のメンバー14名に対してギラヴァンツ北九州のホームゲームおよびアウェイゲームへ無期限入場禁止を通告したと発表した。「ぶちくらせ」という表現を記載した横断幕の使用「ぶちらくらせ」という歌詞を含むチャント(応援歌)の使用が無期限入場禁止の理由となっている。

その直後の2015年11月8日に開催されたFC岐阜×ファジアーノ岡山(岐阜メモリアルセンター長良川競技場)のアウェイ側ゴール裏に「ぶちくらせ!北九州」の横断幕が掲示された。ホーム側ゴール裏では、FC岐阜サポーターの自作とみられる「ぶちくらせ」バナーが掲げられた。

なぜ、ここまで「ぶちくらせ」問題は大きく広がっているのだろう。

「ぶちくらせ」という表現がいきすぎているかどうかは、実は誰にもわからない。なぜなら、人それぞれに「ぶちくらせ」という意味の受け取り方に幅があるからだ。明確に「公序良俗」に反する表現とは言えないのだ。では、なぜ、ギラヴァンツ北九州は「ぶちくらせ」の使用を制限しようとしたのか。それは北九州市からの要望であろう、といわれている。サポーター団体「イエローブリゲード」の染岡勇輝代表は「クラブとの話し合いの中では、市の方から応援団の見た目と応援の仕方が悪いから入場者が集まらないと指摘されたという話がありました」とスポーツ新聞の取材に答えている。

2015年11月5日に北九州市の北橋健治市長が記者会見で、ギラヴァンツ北九州が「ぶちくらせ」を禁止したことについて、「市外の人や子どもがギョッと感じてもおかしくない。今回の決定には納得している」と発言したという記事が新聞に掲載された。新スタジアム建設資金を負担するなど、ギラヴァンツ北九州を支援している行政である北九州市は、この問題に対して無関係である立場をとっている。表向きは無関係となっているが、数々の関係者の証言から本来は北九州市が当事者なのではないかという考え方から、新聞は市長のコメントを記事に掲載しているものと推察する。

つまり、今回の「ぶちくらせ」問題は、これまでのJリーグでは、表立っては例のない「行政の意向によるスタジアム内での表現の制限」なのだ。興行主催者と観客、観客同士による表現の制限とは、全く異なる事態といえる。

さて、前置きが長くなったが、今回、taskeLサポーター研究所では、サポーターを対象にアンケート調査を実施した。

『ぶちくらせ』応援表現に関するアンケート調査

インターネットによる調査
対象:サポーター(n=102)

J2・北九州のサポーターが用いてきた「ぶちくらせ」(「打ちのめせ」という意味)という方言をクラブが使用禁止にしたことについて賛成ですか。

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使用禁止に反対するサポーターが圧倒的に多数という結果になっている。これに近い質問の、他のアンケート調査でも同様の傾向が見られる。

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これまでのJリーグでは、表立っては例のない「行政の意向によるスタジアム内での表現の制限」である、ということに対しても回答を得ている。

行政や市議から「ぶちくらせ」という方言の使用に関してクラブへの発言があったと報じされています。サポーターの表現に行政や市議が関与することについて賛成ですか。

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使用禁止に反対するサポーターの割合と近似の割合で「サポーターの表現に行政や市議が関与することについても反対」というサポーターが圧倒的に多数という結果になっている。

では、表現の程度によって反対の割合は変わるのだろうか。ご存知の方も多いと思うが、J1・鹿島アントラーズのサポーターは「ぶちくらせ」よりも直接的な暴力表現の歌詞のチャント(応援歌)を使用していきた。「ぶちくらせ」との比較対象を得るため、これについても質問した。

J1・鹿島アントラーズの応援には「奴らを血の海へ」という表現が使用されていました。これについて鹿嶋市(鹿島町)の行政や市議から発言がなかったことについてどのようにお考えですか。

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「ぶちくらせ」よりも直接的な暴力表現の歌詞のチャント(応援歌)でも回答の傾向は同様の結果となった。つまり、表現にかかわらず「サポーターの表現に行政や市議が関与することについても反対」というサポーターが圧倒的に多数だということだ。

法的根拠のない表現への制約を行政が行って良いのか、その前例が作られるかどうか、「ぶちくらせ」問題は、一つのクラブのサポーターの問題を超越した、重大な局面を私たちに突きつけているのではないだろうか。

現在、「サポーターの意識」に対するアンケート調査を実施中です。ぜひ、ご回答ください。